弊社、田中食材は、約150点の食品原材料を扱っており、製造業の皆様と一緒に商品開発に力を注いでおります。
外出自粛中にはおうちでご当地グルメを作って旅行気分を楽しむトレンドが湧き上がりましたが、その後も頻繁に食卓に出したいと思うメニューは割と身近で素朴なものだったりしますね。
熊本のソウルフード・サラダちくわ
これは、熊本で創業され、九州北部に店舗展開されているお弁当屋さんの一番人気のお惣菜です。大きなちくわにポテサラが詰まっていて、さらに天ぷらとして揚げられています。
ちくわはかまぼこと並んで長年愛されてきた、海の幸をいただく加工品です。
エソなどの白身魚をすり潰したものに、でんぷんを混ぜて蒸しあげたものです。むっちりと艶良く仕上げるのにはこのでんぷん質が必要です。
でんぷんの働きと活用
でんぷんは保水性に優れ、もちっとした食感に仕上がるのが特徴です。
時間が経っても商品のサクッと食感やももちもち感、ジューシーなところが長続きするので、お惣菜などには上手に取り入れていきたいところです。
キャッサバ芋やジャガイモから抽出されるタピオカ澱粉や馬鈴薯澱粉は、よく使われていますが特徴の違いから用途が少し異なりますのでご紹介します。
タピオカ澱粉 | ばれいしょ澱粉 | |
コストパフォーマンス | ◎ | |
保水率 (もっちり) | ◎ | |
食感 (弾力・歯切れ) | ◎ | |
日持ちが長くなる | ◎ | ○ |
熱で溶ける | ○ | ○ |
でんぷんは昔から蒲鉾やちくわに使われてきましたし、ソースやたれ類、近年では離乳食や介護食のとろみづけにも欠かせなくなっています。また、簡単に作って食べられる冷凍食品の需要が急増していますので、冷凍してもバサバサになりにくい麺を製造する際にも活用されています。
他には、グルテンフリーの米粉を使ったパンや菓子の難点を助け、時間が経っても固くなりにくくふんわり仕上げるために使われます。
では、どの製品にどんな澱粉が合うのでしょうか。下記の表に特徴をまとめましたのでご参考になさってくださいね。
商品名/でんぷんの種類 | 使われている商品 | 特徴 |
葵Ⅱ(タピオカ加工デンプン) | わらび餅、中華麺(ちぢれ麺) | 透明で粘度が出る(いいとこ取り!) |
祇園(タピオカ加工デンプン) | 冷凍うどん、ハム、ソーセージ | 弾力性アップ |
時代(タピオカ加工デンプン) | 餃子の皮、ごまどうふ | 小麦だけだと切れやすいとき 粘度が欲しいが透明度は必要ないとき 冷凍食品に向く |
馬鈴薯澱粉 | かまぼこ、ちくわ ウインナー | 食感が良い |
α-でんぷん | ドレッシング、たれ、ソース カスタードクリーム(クリーム系 ソフトクリーム | 熱を加えたくない製品に 水に溶ける 保形性(とろみ) |
用途に合わせて複数種類扱っています。上記以外の加工品でも、目指したい食感や、改善したい点をご相談いただければ、さまざまな材料の組み合わせもご提案できるかと思います。共に理想の商品を作り上げていきましょう!