朝晩の冷えこみから冬の訪れを感じ始め、初雪の観測や日中の気温が気になる頃となりました。
寒くなるとあたたかい食べものが欲しくなりますよね。
冬は鍋やおでんなど、湯気がたちのぼる食事に心もほぐされる季節です。みなさんがお好きな具は何ですか?
今回は老若男女に人気のちくわをご紹介します。
ちくわの歴史
ちくわの歴史は古く、正式な起源は不明ではあるものの、そのはじまりは3世紀とも4世紀とも言われています。弊社がある福岡県にも縁がある神功皇后(じんぐうこうごう)が鉾の先に魚のすり身を付けて焼いて食したのが始まりであるとされています。
その形が蒲(ガマ)の穂に似ていることから「蒲鉾」と呼ばれ、貴族や武士たちの間で広まりました。
海に囲まれ、古くから海の恵みを享受していた日本ならではの食べ物なのですね。
「ちくわ」という名前がついたのは、江戸時代末期であるといわれています。それまでちくわは「蒲鉾」とよばれていました。江戸時代になるとさまざまな魚の加工品が作られるようになり、この時に竹の輪の形に似ていることから「竹輪」と名を変え、身分を問わず多くの人たちに食されるようになったそうです。
ちくわの原材料
ちくわは魚ベースの練り物を加熱して作られています。
古くは竹、現代では金属棒に巻いて焼いたり揚げたりすることで穴が空いた独特の形状をしています。
原材料としてはこのような構成をしています。
- 白身魚のすり身
- 塩
- 砂糖
- デンプン
- 卵白
現代では代替添加物があり求める食感によって配合が変わる為、私たちの腕の見せ所でもあります。
旨味引き出すちくわの焼き色
ちくわの外側のきつね色のところはメイラード反応と呼ばれ、主に糖、アミノ酸、タンパク質などが加熱によって反応し”焦げ”て色づいています。肉や魚、パンなどを焼いた時と同じものです。
製造過程でも香ばしい、とても良い香りがするんですよ。
この色味は配合の中の添加物と、油温および油揚げ時間で調整します。具体的には
・白身魚のすり身
・ブドウ糖
・キシロース
・醸造調味料
の組み合わせの調整となります。
ですので、製造業のみなさまの求める食感×色味をお聞きした上で最適なご提案をしています。
さらに重要なのはちくわの用途です。次で詳しくご説明します。
生ちくわと焼きちくわ
ちくわは「生ちくわ」と「焼きちくわ」の2種類に大別されます。
生ちくわ | 焼きちくわ | |
用途 | サラダや和え物 生食向き | おでんや煮物 加熱向き |
食感 | プリプリ 歯切れが良い 薄め | むっちり 弾力がある 厚め |
ポイント | 食感を楽しむ | 出汁も含み味わい深い |
主原料の白身魚にこだわる
ちくわの主原料となる白身魚で味わいは大きく左右されます。
スケソウダラ、イトヨリダイ、ホッケ、エソ、イワシ、トビウオなど、
使う魚の種類によって弾力や味わいが変化するため、ちくわを製造しているメーカーによって使われている魚の種類が異なります。
特にスケソウダラのすり身でつくるちくわは風味がよく、柔らかくて味も染みやすい。
煮炊きした時に出汁がでて、口に含むとジュワッとだしとちくわの旨みが広がります。
このようにちくわには用途合わせて材料の構成が異なるため、商品にあったご提案をさせていただいています。
この違いは消費者様にもあまり認知されていないため、商品名やパッケージで訴求するのも良いかもしれませんね。
- おでん用ちくわ・・・肉厚で味わい深く出汁も吸いやすい
- サラダ用ちくわ・・・食感重視。カラフルな色味や形を再現
- 和え物用ちくわ・・・魚本来の旨味が強く、和食に合わせやすい
- 天ぷら用ちくわ・・・あっさりとした味わいで衣が絡みやすい
- 弁当用ちくわ・・・ちょうど良い長さ、中にあらかじめ具材を詰めておきたい
などのご要望と共に、製造業のみなさまからの商品開発のお問合せをお待ちしております。